痔の治療について
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肛門科による痔の治療
患者様の中には、たつみクリニックへご来院頂くまでに時間がかかった方もいらっしゃいます。理由を尋ねてみると、「肛門科という響きに抵抗があった」とのことです。こうした方の多くは、ご来院までに市販の薬を塗っていたけれど、一向に症状が改善されなかったり、患部がよく見えないので放置していたら、下着が汚れ始めたり、突然激しい痛みで立てなくなったりするなどしてからご来院されています。
当院の専門の1つである肛門科では、まず患者様の症状を診察し、肛門の状態などから、痔、あるいは別の病気なのかを診断します。痔であると診断した場合には、大まかに「いぼ痔」「切れ痔」「痔ろう」のいずれであるかをご説明し、別の病気であると診断した場合には、その病気について詳しくご説明します。その上で、少しでも早く痛みや不快感などのない元の状態に戻れるように、患者様の同意を得た上で適切な治療を行います。
人に相談しにくく、ご自身では見えづらい部位の痛みや不快感などは、一日も早く専門医に診断してもらうことをおすすめします。神戸市中央区で痔の治療なら、新神戸駅を最寄り駅とする当院までご相談ください。
痔の原因
主な痔の原因として、次のものが挙げられます。
毎日の食事などの生活習慣
栄養バランスの偏った食事は、消化器に負担がかかったり、体調の崩れを引き起こしたりすることがあり、これらが要因となって痔ができる場合があります。
水分不足
便は大腸で水分を吸収してから排泄されますが、体内の水分が不足していると便が硬くなり、肛門に負担がかかって痔ができやすくなる場合があります。
便意の我慢
女性に多くみられるのですが、排便時間を上手く調節できずに、便意を我慢し続けた結果、便秘になることがあります。便秘になると、排便時に強くいきまなければならなくなって、肛門まわりの血管に負担がかり、うっ血していぼ痔ができたりすることがあります。また、肛門まわりの皮膚が切れて切れ痔になることもあります。さらには硬い便が肛門の粘膜を傷つけて、そこから雑菌が入り込んで炎症を起こすこともあります。
お産の影響
妊娠・出産を機に痔になる女性は大勢います。妊娠中は胎児の成長にともなって子宮が大きくなるため、直腸のまわりの血管が圧迫されて血液循環が悪くなることで、血管の一部がしこりとなっていぼ痔になりやすいとされています。また、妊娠中は便秘になりやすく、切れ痔を起こしやすいとされています。さらにお産では肛門に強い力が加わるため、痔の症状を悪化させる場合があります。お産の影響による痔は20~30代に多くみられることから、まわりの目を気にして肛門科を受診することを避け、症状を悪化させてしまう場合もあります。
座っている時間が長い
デスクワークなどにより椅子に座っている時間が長い方は、肛門まわりの血液が溜まって痔になる場合があります。そのほか、自転車の乗り過ぎや、姿勢の悪さなども痔の原因となる場合があります。
過度な飲酒
過度な飲酒は肛門のまわりの血管を拡張させ、血流の量を増やしてうっ血を促進することがあります。その結果、痔ができる場合もありますので、適度な飲酒を心がけるようにしてください。また、過度な飲酒によって便が固形物を含まない液体状(水様便)になり、肛門のまわりを清潔な状態に保てなくなって痔を引き起こすこともあります。
痔の予防方法
長時間、同じ姿勢を取り続けない
ずっと椅子に座っていたり、立っていたりすると、肛門のうっ血が促進されてしまう場合がありますので、長時間同じ姿勢を取り続けないようにしましょう。
お尻を冷やさない
お尻が冷やされて肛門のまわりの血流が悪くなると、痔ができやすくなります。なので、お風呂でお尻を温めたり、保温性の高い下着を着用したりするなどして、お尻を冷やさないようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスによって便秘や下痢が引き起こされ、それが痔の原因となることもありますので、ストレスをためないライフスタイルを心がけるようにしましょう。
便秘・下痢にならないようにする
便秘になって排便時に強くいきむと、肛門のまわりの血管が膨らんで血栓ができ、痔になることがあります。また、下痢も肛門に悪影響を及ぼすことがあります。冷たい物や過度な飲酒を控えたり、毎日の食事の内容に気を配ったりして、便秘・下痢にならないようにしましょう。
過度な飲酒を控える
過度な飲酒は肛門のまわりのうっ血を促進し、痔を引き起こす場合がありますので、適度な飲酒を心がけるようにしましょう。
肛門を清潔な状態に保つ
肛門が不潔な状態になると、細菌に感染して炎症を起こす場合があります。排便後はウォシュレットやお尻拭き専用シートなどを使って、肛門を清潔な状態に保つようにしましょう。
ウォシュレットで肛門を洗い過ぎない
ウォシュレットで肛門を洗いすぎると、皮膚が弱くなって痔を引き起こす場合があります。肛門を清潔な状態に保つのは大切なことですが、ウォシュレットの水を当て過ぎると皮膚がただれたり、炎症を起こしたりすることがありますので、洗いすぎには注意するようにしましょう。
痔の種類
いぼ痔(痔核)
痔のうち、男女問わず多いのが「いぼ痔(痔核)」です。いぼ痔とは肛門のまわりの静脈がうっ血し、瘤のように腫れた状態を差し、歯状線よりも腸側にできたものを「内痔核」、外側にできたものを「外痔核」と言います。主な原因は、便秘時の排便での強いいきみなどです。初期には自覚症状がほとんど現れないため、いぼ痔ができてもそれに気づかない方も大勢いるとされています。
症状が進行すると、排便時などに患部が肛門の外に飛び出したり、出血したりするようになります。常に患部が外に出ている状態のことを、脱肛と言います。脱肛を起こすと、肛門のまわりに痛みや痒みなどの症状が現れることがあります。また、便を出し切っていないような「残便感」や、肛門付近の便を巻き込むことで「便漏れ」を起こすこともあります。
疲労によって引き起こされる場合もあり、肛門のまわりがうっ血しやすい現代人ならではの症状であると言えます。
切れ痔(裂肛)
切れ痔(裂肛)とは、肛門の出口付近の皮膚が切れた状態を差し、「裂け痔」とも言います。痔でお悩みの患者様の約3割を占めており、女性に多くみられます。症状が進行すると肛門括約筋が痙攣しやすくなり、強い痛みが生じるようになることがあります。さらに進行すると、裂傷部分が潰瘍化し、患部まわりの肛門の外側にポリープができることもあります。
なお、症状が進行して強い痛みが生じると、排便を我慢するようになって便秘を引き起こすことがあります。そして便秘になると便が硬くなり、それが患部を傷つけて悪化させるなどの悪循環に陥って、治癒までに時間がかかることがあります。
痔ろう(穴痔・蓮痔)
痔ろう(穴痔・蓮痔)とは、肛門の内側にある皮膚と、その上にある直腸粘膜との境界線にある肛門腺に、細菌感染の炎症が起き(肛門周囲膿瘍)、お尻や肛門の皮膚に穴が開いて、直腸とトンネル状に繋がってしまう状態のことを言います。男性に多くみられ、肛門のまわりにできた穴から膿が出ることがあります。そのほか、肛門のまわりが腫れて痛みが生じたり、お尻が熱を持ったりすることもあります。肛門周囲膿瘍が進行してできるほか、原因としてクローン病が隠れていることもあります。